ヤシマ電気

「聞こえ」を支えるテクノロジー。
サイトマップ お問い合わせ GLOBAL TOP
ホーム 製品案内 技術情報 企業情報 採用情報
ホーム » 技術情報 » 最新の技術情報

技術情報

バックナンバー

このページを印刷
Vol. 8 Hi-Stiffness(ハイ・スティフネス)

「Stiffness」とは振動板の剛性を指します。
密閉された状況下で使用するHi-Fiの音響変換器(カナル型イヤホン)はHi-Stiffness(高剛性)が理想とされています。なぜ高剛性が良いのか、それを代表的な音響変換器の3種類(2磁極型バランスドアマチュア、ダイナミック型、1磁極型バランスドアマチュア)について、構造と電気信号に対する応答性のグラフを用いてお話しします。

【各音響変換器の振動板部】
■2磁極型バランスドアマチュア

剛性のある軽量金属の振動板を使用しフリーエッジにしています。
技術的には理想的な構造でありたいへん小型ですが、小さい体で大きな機械運動をしなければならず、そのために変換効率を高くする必要があり運動抵抗を非常に少なくしなくてはなりません。
この構造では機械運動のStiffnessはアマチュアで決定され、その基本構造がゆえにアマチュアの剛性をLo-Stiffnessにしなくてはならないのです。Lo-Stiffnessで変換効率が高いということを別の言い方で表すとダンパーの利きが悪い(機械運動慣性力が大きい)基本構造ということになります。

■ダイナミック型

振動板は極めて薄い樹脂でできています。(2磁極型バランスドアマチュアより更にLo-Stiffness)
すべての変換器に言えることですが、耳道内で振動板が機械運動をすることにより空気密度が圧縮され、その圧縮された圧力が振動板に対し質量(追加質量)として発生しfo(共振周波数)がさらに低下します。
ダイナミックは構造上、剛性の低い材質(Lo-Stiffness)の振動板を使用しなければならないため、著しいfoの変化を示します。その結果、低音域は豊に聞こえるが、高音域が乏しい傾向になります。現在市販されているカナル型ダイナミックイヤホンはその問題を解決すべく色々と構造上の対策を取っていますがLo-Stiffnessがゆえの欠点です。

■1磁極型バランスドアマチュア

2磁極型バランスドアマチュアおよびカナル型ダイナミックイヤホンでは使用できないHi-Stiffnessの振動板を使用することができる構造を持っています。

次にHi-Stiffnessの振動板を使用した変換器は他の変換器とどの様に違うのか、応答特性をグラフで見てみましょう。

【応答特性グラフ】
〇測定条件:8000Hzを1.0ms(1/1000秒)の電気信号を入力しイヤホンからの音響出力を疑似耳でとらえる。
〇試験内容:同じ時間軸で電気信号と音響信号の時間差をとらえています。

振動板は質量があるため電気信号に対し必ず立ち遅れが発生します。また電気信号がなくなっても残音があるのも質量が起因となる慣性によるものです。音響変換器はこの問題に対し構造的および技術的に解決しなくてはならない宿命があります。

グラフを見てお分かりの様に、音響変換器を密閉状態で使用するカナル型イヤホンにおいて、Hi-Stifnessの振動板を使用できる構造の1磁極型バランスドアマチュアのイヤホンは、ほかの音響変換器のイヤホンと比較し電気信号に対して音響信号の追従性が圧倒的に優れています。

最後に、2磁極型バランスドアマチュアと1磁極型バランスドアマチュアは、どちらもバランスドアマチュアと表現しておりますが、実はバランスの取り方が大きく違う点をご説明します。

〇2磁極型:電気回路中のアマチュアを機械的にバランスを取る。
〇1磁極型:振動板に溶接されたアマチュアを振動板の復元力に合わせ磁気回路調整でバランスを取る。

2020.2.12
バックナンバー一覧
ページトップへ
サイトマップ お問い合わせ
お電話でもお気軽にお問い合わせ下さい TEL.048-224-1241(受付時間:月曜日〜金曜日 9:00〜17:30)
Copyright©2007 Yashima Electric Co., Ltd. All Rights Reserved.