従来の微小振動を捉えるセンサーには圧電素子使用していますが、センサーを動作させるために少なくとも数十ボルトの動作電圧を供給する電源が必要となります。1台のセンサーを駆動させるには最低数十万円が必要となるのが現状です。今まで一般的には振動を測定する目的の測定器としての位置付として捉えられていたのではないでしょうか。
また最近ではMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)も登場し色々なセンシングに利用されていますが、これを利用するにあたり準備されている専用の電子回路または独自の回路設計、システム等が必要となってきます。
今回開発した「微小振動ピックアップセンサー(PSシリーズ)」は音響設計・製造を行っている立場から、簡易的に微小振動を捉えることが出来るセンサーを開発しました。接続は従来のマイクロホン端子へ接続するだけで直接微振動の波形を捉えることが出来ます。
「微小振動ピックアップセンサー(PSシリーズ)」は従来の自由音場の空気振動を捉えるマイクロホンとは違い、直接センシングを行いたい機器に取り付けることにより、その機器の微小振動のみを電気信号に変換し出力します。そのため高騒音下での微小振動のセンシングが可能になります。
このような特徴を備えているため、製造工場内で稼働する機器を事前保守管理点検として「微小振動ピックアップセンサー(PSシリーズ)」から出力された電気信号を有線または無線でPCへ入力させ正常な出力信号と比較し簡易的に機器の運転状況を可視化し管理する事が可能となります。
下のグラフは、直接小型扇風機に「PSシリーズ」を取り付けFFTで捉えた波形です。
【正常時】
赤線:正常運転をしている扇風機の信号を保存し画面に表しています。
青線:扇風機が稼働している現時点の信号を捉えています。
【異常検知時】
実験的に扇風機の羽にビニール袋を当て異常信号を再現しています。
赤線:正常運転をしている扇風機の信号を保存し画面に表しています。
青線:センサーが異常音を捉えている波形です。
単純に2波形の違いにより正常では無い事を可視化しています。
上記例は非常に単純に示していますが、最近では、簡単な扱いが可能なことから色々な産業機器に実績を高めつつあります。
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